未然防止の考え方は、発生したトラブルや事故を「その場で収束させる」だけではなく、再発を防ぎ、さらに将来起こり得る問題を未然に防ぐという包括的な取り組みです。この取り組みを3つのステップに分けて実施します。
最初のステップは、発生した問題を迅速に収束させる「緊急対応」です。
トラブルの事実を正しく把握します。推測や憶測に頼らず、確実な情報を基に初動対応を行います。
二次災害の防止や類似リスクの確認を行い、さらなる被害の拡大を防ぎます。
次に取り組むのは、同じ問題が繰り返されないようにする「再発防止」です。
問題の根本原因(真因)を追究します。表面的な対処ではなく、問題の本質に迫る分析が必要です。
根本原因から再発防止策を誘導し、対策実行の後、その効果を検証します。
根本原因の追究方法は、ここをクリックしてください。
最後のステップは、過去の教訓を活かし、将来起こるかもしれないトラブルを防ぐための「未然防止」です。
再発防止で得た知見や経験を活用して、新たなリスクに気付きます。
未然防止策を立案し、実行した後、その成果を振り返ります。
① 再発防止と未然防止は目的が異なります。
再発防止は、過去のトラブルが再び発生しないようにする取り組みです。
未然防止は、まだ起きていない将来のトラブルを防ぐことが目的です。
② 未然防止は、再発防止の知見を活用することが必須です。
再発防止で得たデータや経験が、将来のリスクに気付くきっかけとなります。
未然防止の3ステップ(緊急対応 → 再発防止 → 未然防止)は、過去の問題を教訓とし、未来のリスクを防ぐための実践的なアプローチです。特に未然防止は、再発防止の取り組みなしには成り立たないため、順を追って進めることが重要です。
これにより、組織全体でより安全で効率的な体制を構築することで、トラブル・事故ゼロの職場が実現します。