次の方法で、未然防止レベルを自己診断してみてください。
≪評価≫
Ø A(3点):ほぼできている。
Ø B(2点):時々できている。
Ø C(1点):ほとんどできていない。
Ø 評価方法:該当欄に「〇」をつけて、点数を計算する。下表参照。
Ø なお、点数は絶対的なものではなく、目安です。
n レベル1:緊急対応(トラブル発生後の対応について)
|
チェック項目 |
評価(例) |
||
A |
B |
C |
||
① |
トラブルの事実を正しく把握している。 |
〇 |
|
|
➁ |
悪いニュースほど、即報告されている。 |
〇 |
|
|
③ |
初動を間違えないように気をつけている。 |
|
〇 |
|
④ |
トラブルの当事者が叱責されることはない。 |
〇 |
|
|
⑤ |
類似トラブルが発生していないか確認している。 |
|
|
〇 |
点数 |
9 |
2 |
1 |
|
合計 |
12 |
≪解説≫
① トラブルの事実を正しく把握している。
Ø トラブルとは何か、客観的な事実(いつ、どこで、何が、どのように起こったか)を把握できているか。
Ø あるべき姿(本来ならこうなっているべき)と現状の姿(実際に起こった事実)がチームで可視化されているか。
② 悪いニュースほど、即報告されている。
Ø トラブルの事実を隠すことなく、速やかに報告できているか。
Ø 上司自ら、「Bad news first」(悪いニュースが最初に報告されること)を実践しているか。
③ 初動を間違えないように気をつけている。
Ø トラブル発生後の最初の行動を正しく行っているか。初動を間違えると、トラブルが拡大する。
Ø 火事に例えると、延焼を止めること。
④ トラブルの当事者が叱責されることはない。
Ø トラブルの当事者(ミスをした人、報告した人)が叱責されることはない。
Ø 同じ人が、2度3度ミスを繰り返している場合は、当人の問題でなく、仕事の仕組みや組織の問題と考えるべき。
Ø トラブルの当事者を犯人扱いしないこと。
⑤ 類似トラブルが発生していないか確認している。
Ø 類似のトラブルが、他の現場や職場で起こっていないか、チェックしているか。
Ø このチェックで、トラブルの早期発見が可能となる。
≪評価≫
Ø 13点以上:合格、15点を維持できるように、さらにレベルアップを目指してほしい。
Ø 10点~12点:緊急対応が不十分。レベルアップが必要。
Ø 9点以下:この状態が続くと、やがて大トラブル発生の可能性あり。大至急改善が必要。
n レベル2:再発防止(同じトラブルを起こさない)
|
チェック項目 |
評価 |
||
A |
B |
C |
||
① |
トラブルの当事者の本音・言い訳を聴いている。 |
|
|
|
➁ |
根本原因(真因)を追求するように努めている。 |
|
|
|
③ |
再発防止策は、根本原因から誘導している。 |
|
|
|
④ |
再発防止策は、期日と実施責任者を明確にしている。 |
|
|
|
⑤ |
再発防止策実施後、その有効性を検証している。 |
|
|
|
点数 |
|
|
|
|
合計 |
|
≪解説≫
① トラブルの当事者の本音・言い訳を聴いている。
Ø 当事者の言い訳・本音にこそ、根本原因(真因)を探るヒントがあるので、当事者から聞き出す必要あり。これで、当事者の評価を落とさないこと。
Ø 当事者は、隠さず、本当のことを報告しているか。ただし、他人の批判をしないこと。
② 根本原因(真因)を追求するように努めている。
Ø 直接原因と根本原因の違いを理解しているか。
Ø なぜなぜ分析を活用して、チームで根本原因を追究しているか。
Ø 対策を先に見つけて、原因をこじつけていないか。
③ 再発防止策は、根本原因から誘導している。
Ø 手っ取り早く、1つの原因らしきものを見つけて、安易に対策していないか。
Ø 根本原因と再発防止策の関係を明確にしているか。
④ 再発防止策は、期日と実施責任者を明確にしている。
Ø 再発防止策は、期日を明確にして、必ず実行しているか。
Ø 誰が再発防止策を実行するか、明確になっているか。
⑤ 再発防止策実施後、その有効性を検証している。
Ø 再発防止策を実施したあと、トラブルの再発が起こらないことを確認しているか。
Ø 予期せぬ2次災害が起こっていないことを確認しているか。
≪評価≫
Ø 13点以上:合格、15点を維持できるように、さらにレベルアップを目指してほしい。
Ø 10点~12点:再発防止が不十分。レベルアップが必要。
Ø 9点以下:この状態が続くとトラブルの再発が繰り返される。大至急改善が必要。
n レベル3:未然防止(トラブルゼロを目指して)
|
チェック項目 |
評価 |
||
A |
B |
C |
||
① |
再発防止と未然防止の違いを理解できている。 |
|
|
|
➁ |
「おかしい」「何か変」という感覚を大切にしている。 |
|
|
|
③ |
ヒヤリハット対策を実施している。 |
|
|
|
④ |
変更管理を実施している。 |
|
|
|
⑤ |
未然防止のPDCAサイクルを回しているので、最近は事故・ トラブルが起きていない。 |
|
|
|
点数 |
|
|
|
|
合計 |
|
≪解説≫
① 再発防止と未然防止の違いを理解できている。
Ø 再発防止と未然防止の意味を理解しているか。
Ø 再発防止を実行したあと、未然防止に取り組んでいるか。
② 「おかしい」「何か変」という感覚を大切にしている。
Ø 「おかしい」「何か変」と感じたら、それを声に出して言えるか。
Ø 空気を読め、おかしな質問をするなと、言われていないか。
Ø 何でも言えるような風通しの良い職場環境になっているか。
③ ヒヤリハット対策を実施している。
Ø 大トラブルに至らなくとも、ヒヤッとしたこと、ハッとしたことを記録に残し、対策しているか。
Ø ヒヤリハット体験をチームで共有しているか。
④ 変更管理を実施している。
Ø 設備・人・材料・方法を変更したとき、安全と品質に問題ないか、確認しているか。
Ø 変更履歴を記録に残しているか。
⑤ 未然防止のPDCAサイクルを回しているので、最近は事故・トラブルが起きていない。
Ø 未然防止策の立案(Plan)、実施(Do)、振り返り(Check)、改善(Action)のサイクルをきちんと回しているか。
Ø トラブルが発生した場合、なぜそのリスクに気付けなかったかという振り返りを実行しているか。
Ø 未然防止を実行したにも関わらず、トラブルが起こった場合、未然防止策の有効性をチェックしているか。
≪評価≫
Ø 13点以上:合格、15点を維持できるように、さらにレベルアップを目指してほしい。
Ø 10点~12点:未然防止が不十分。レベルアップが必要。
Ø 9点以下:この状態が続くと、近い将来トラブルが起こる可能性あり。大至急、再発防止活動を見直して、改善が必要。
*****************************************************************************
n コンサルタントがレベル診断を実行する場合
Ø トラブル報告書、関連製品の現場確認、関係者からのヒアリング等を参考にして、総合的な視点で、レベル診断します。
Ø 多くの企業では、レベル2の再発防止は実行しているが、根本原因追究が不十分で、レベル3の未然防止に到達していません。
Ø みなさんの会社では、どうでしょうか。レベル診断で弱点を把握し、補強することで、レベル3の未然防止に到達することが可能となります。
~以上~
コメントをお書きください